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- 京都府に関連のある仕事人
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1928年 生まれ
出身地 京都府
佐野 藤右衛門 -
子供の頃の夢
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クラブ活動(中学校)
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仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
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出身高校
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出身大学・専門学校
- 【このページに書いてある内容は取材日(2016年12月19日)時点のものです】
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佐野 藤右衛門 -
仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
本業は植木屋,
桜 は「道楽」京都の
植藤 造園 の佐野 藤右衛門 です。佐野 の家では,跡目 を相続する者は代々 「藤右衛門 」の名前を継 ぐことになっていて,わしで十六代目ですわ。
わしの本業は植木屋で,施主 に依頼 されて庭をつくるのが仕事です。若 い頃 は,外国で日本庭園をつくる仕事もしました。パリ,イスラエル,アメリカのニューオーリンズ,ハワイ……。イサム・ノグチという彫刻家 に誘 われて,パリに行ったのが最初でしたな。一緒 にずいぶん外国で日本庭園をつくりました。
本業の植木屋とは別に,全国を歩き回って,桜 を調査 したり,各地の桜 の保存 に努める「桜守 」もしています。もっとも「桜守 」というのは人が言うてるだけで,わしはたまたま桜 が好きで,桜 と付きおうとるだけですわ。桜 はわしの道楽です。「道楽」やから,字のとおり,道を楽しんどるんやね。もう90歳 も近くなったけど,今でも時間があって気が向いたら,日本各地の桜 を見に行きます。 -
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佐野 藤右衛門 -
仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
自然が相手の仕事
わしらの仕事は,自然のものを
扱 う仕事です。相手が自然のものやから,絶対 に人間の思うようには動かへん。まずそれを知らんといけません。桜 にしても,松にしても,樫 にしても,みな性格 が違 います。桜 の中の一本一本も,みな違 います。じゃあ違 うところで,どういうふうに扱 うか。本に書いてあるとおりにやってもうたら,みな枯 らしてしまいますわ。土地によって気候風土が違 いますからな。土地に合ったことをやらんといかんのです。日本というのは山ひとつ,川ひとつ越 えるたんびに地味 (土地の質 )が違 います。地味 が変われば,植生も変わってきます。そこにいる鳥や虫もみな違 ってくる。
同じ環境 はひとつもないし,同じ木もひとつもない。みな違 うんですな。せやから,わしらの仕事はすべて手探 りです。毎日が応用 問題ですわ。天気も毎日,違 います。天気によって,できることも違 うから,朝起きて,お天気を見てみてから「今日,何をするか」を決めるんですわ。自然が相手の仕事に,マニュアルはありませんな。 -
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佐野 藤右衛門 -
仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
それぞれ,
違 うからおもしろい植物は一本一本,みな
違 うからおもしろいんです。人間でも一人ひとり,みなクセが違 うやろ。それとおんなじことです。せやから苦労するけど,植物の守りがうまいことできて,ちゃんと成長したら,そらもう楽しいですわ。苦労はしても,苦の裏 には必ず楽があるもんです。毎日が苦労で,毎日,楽しいんや。
桜 も,みな違 っておもしろい。いまわかっているだけで,桜 は300種類以上あります。「どこの桜 がいちばん好きか」と聞かれることもあるけど,桜 はみんな好きです。でも,桜 は桜 でもソメイヨシノちゅうのはどこでもみな同じで,おもしろみも深みもないですな。ソメイヨシノは人間が改良した,人工的なものです。接 ぎ木がしやすいのと,育ちやすい。どこで植えても同時に花が咲 きます。個性 がないんですな。それに,人間がつくり出したものやから,最後まで人間が関わらんと育ちません。ソメイヨシノにはおもしろさがないですな。 -
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佐野 藤右衛門 -
仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
その土地のことはその土地の
年寄 りに聞く初めての土地に
桜 を見に行くときは,必ず,行く前に,本でその土地の地質 のことを調べてから行きます。そのうえで,その土地の年寄 りに話を聞きに行くんですわ。その土地のことは,そこに長年,住んできた年寄 りがいちばんよう知っとる。気候風土のことや風向きのこと。他にも「どこどこには近づくな」というような言い伝えがあることもあります。言い伝えにも意味があって,例えば,「近づくな」と言われている場所は,急に強い風が吹 くところやったりすることもある。せやから,こういう言い伝えも大事です。まずは土地の歴史や環境 を勉強するところからですわ。
それから現地 に行って,自分で見て,触 って,調べてみます。最後は自分の勘 で判断 せなあきません。勘 といっても,それは長年の経験 と知識 の中から生まれてくる勘 ですな。わしは「経験 の中の勘 」と言うてます。気候風土のことや「あの植物はこの季節に動かしたらいかん」といったことは,みな,おじいや親父がやってきたことを見たり聞いたり,職人 が動いとる姿 を見たり,自分で手を動かしたりする中で,学んできたんです。 -
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佐野 藤右衛門 -
仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
「
桜 道楽」の楽しさ桜 (の調査 や保存 )は,知らん間にやるようになってました。「やれ」って言われたことはないけど,おじいや親父のやっていることを見とりましたから。(※佐野 家では,祖父 の代から,植木屋の仕事のほかに桜 の調査 や保存 をするようになった。)本業の植木屋は息子に任 せられるようになったので,空いた時間にやっとります。
桜 は,そら楽しいですわ。「あれ?」と思うような,見たことのない新種の桜 に出会うことがあって,そういうのを見つけたときには,知らんかったことを一つ知ったという嬉 しさがあります。新種の桜 は種と種が交ざる「交雑 」でできるんやけど,この「交雑 」自体がいわば自然の恵 みです。どうやって交雑 したのか,そういう過程 を一つひとつ調べていくのがまたおもしろいんですわ。桜 をやりだすと,どんどんはまってしまうんや。 -
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佐野 藤右衛門 -
仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
やんちゃだった子ども時代
子どもの
頃 はやんちゃでした。あっちゃこっちゃの木に登ったりな。大事に育ててはる木に登って枝 を折ったりしてたから,そら怒 られるわな。近所のおっさんに怒 られて,「あのおっさん怖 いなあ」なんていうてました。近所の柿 の木に登って,木から落ちて「ほれ見てみい,罰当 たりが」て言われたりなあ。やんちゃし放題でした。
せやけど,木に登ったりしてたのは,今になってみると,ぜんぶ仕事に生きてます。登って膝 を擦 りむいたり,指をケガしたりすると,「ああしたら危 ないな」というのが自然にわかるようになるわな。「あ,こうしたらあかんな」とか,「ここまでは大丈夫 やな」とか,そういうことを体で覚えていくんやね。頭で考えることはもちろん大事やけど,体で覚えるのも大事なことや。今の人は頭で考えるばっかりやけどな。 -
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佐野 藤右衛門 -
仕事内容
施主 に依頼 されて庭をつくる。桜 の調査 や保存 を行う。 -
自己紹介
無理はしたらあかんけど,
挑戦 はせなあかん若 いうちは,自分に見合う体力はまず自分で作っとかなあかん。体力がついたら,そこで気力も養うていくんやね。それと,「己 を知る」いうんは大事やな。己 を知っていれば,「ここまではできる」とか,「もうちょっと頑張 れる」というのがわかる。むやみにやるだけやなくて,時には引き際 ちゅうのも大事や。無理はしたらあかん。せやけど,挑戦 はせなあかん。わしももう90歳 近いけど,日々 ,精進 するようにしてます。
あと,人生,後戻 りはしたらあかんけど,振 り返ることは大事やね。振 り返れば,修正 ができて,修正 した上で前に進める。せやから,いったん立ち止まって,振 り返ってみることも,時にはやったほうがええ。後戻 りせんで済 むようにな。 -